自然素材の家はなにがいい?普通の住宅と自然素材住宅を徹底比較*

*コラム2020/2/11

自然素材の家に住みたい、と憧れを持っている方が増えています。

規格化された工業製品に囲まれた家も良いけれど、自然素材に囲まれた暮らしの方が健康的で心身も豊かに過ごせると考える方が多くなっているのではないでしょうか。

 

具体的に、従来の家と自然素材の家とでは何が違うのでしょうか。自然素材の家の特徴を紹介しましょう。

 

そもそも、自然素材の家とは?

自然素材の家とは、家の大部分に自然の素材を用いて建てた家のことをいいます。

 

無垢の床材、珪藻土や漆喰で仕上げた壁などが代表例。

和紙やコルク材、セルロースファイバーなどを使った家も自然素材の家ですし、一部に化学素材を用いても大部分が自然の素材であれば自然素材の家といえます。

 

自然素材の家のメリットは?

自然素材の家に住む一番のメリットは、快適に過ごせることでしょう。

たとえば、調湿性に優れている無垢材を床材に用いれば、夏はベタベタした不快感もなく、また冬場も温かく感じられ、一年を通して快適に過ごせます。

 

それに、独特な木の香りもリラックス効果があるといわれますので、心も豊かに過ごせるでしょう。

 

珪藻土や漆喰の壁も調湿作用があるため、快適な湿度にコントロールしてくれますし、空気をきれいにする清浄作用も期待できます。

高気密高断熱の家でも、自然素材の壁が不快なにおいを吸収して外に放たないようにしてくれますから、快適に過ごせます。

 

自然素材の家のデメリットは?

一方、デメリットはメンテナンスが大変ということ。

無垢の床材だと、椅子を引きずったりペットが引っかいたりすると傷がつきやすいですし、水をこぼすと傷みやすいという側面もあります。

 

珪藻土や漆喰などの壁も水に弱いため、洗剤を使って汚れを落とすといったこともできません。

 

もちろん、後述するメンテナンスで汚れをなくすことはできますが、通常の住宅と比べるとメンテナンスコストがかかることも、デメリットとして挙げられるでしょう。

 

健康面から従来の住宅と自然素材の家を比較

自然素材の家は、「健康にやさしい」というのも特徴の一つです。

工業製品を多く用いた従来の家は、建材に接着剤などの化学製品や有害物質が含まれており、これがシックハウス症候群やアレルギーなど健康に影響を与えると指摘されています。

 

自然素材の家に用いる建材には、こうした物質が含まれていませんので、小さな子どもや高齢者、アレルギーに敏感な方でも安心して暮らせます。

 

 

環境面から従来の住宅と自然素材の家を比較

工業製品の建材を用いた従来の家は、それを製造する過程で石油や電力など多くのエネルギーを消費しています。

これに対し、自然素材の家は木を製材することはあっても基本的には素材をそのまま使います。

伐採した山林には新たな木を植樹してしっかり管理することにより、美しい山を守ることにもつながるのです。

 

また、廃棄する際にも自然素材の家なら環境汚染の心配も少ないので、「環境にもやさしい家」ともいえるでしょう。

 

安全性から従来の住宅と自然素材の家を比較

工業化された従来の家には、集成材とよばれる建材が多用されています。

集成材は接着剤で木材を固めた建材で耐久性に優れていますが、安全な状態をいつまで保てるかは不透明です。

 

その点、自然素材の建材は法隆寺をはじめ数百年から千年以上経っても建ち続ける建物がいくつもあり、耐久性の点で証明されているといえます。

 

また、土壁の調湿効果で結露やカビも生じにくく、構造部を腐食させる心配が少ない点からも、安全性が高いといえそうです。

 

 

経済性から従来の住宅と自然素材の家を比較

自然素材の家のデメリットに、建築コストやメンテナンスコストが高いことも挙げられます。

 

しかし、もっと長い目で見るとローコストなのが、自然素材の家の特徴です。

従来の家は平均寿命が30年ほどに対し、自然素材の家は子や孫の世代でも暮らせます。

リフォーム代など、将来の建て替えコストを抑えられるでしょう。

 

また、健康面で指摘したように工業製品を使った従来の家は健康被害の可能性もあり、家が原因で医療費がかさむことも考えられます。

健康的な暮らしをサポートしてくれる自然素材の家なら、こうした医療費を抑えることにもつながるかもしれません。

 

自然素材をきれいに長持ちさせる方法

自然素材は、お手入れの仕方が難しいことがデメリットですが、きちんと手入れをすればきれいな状態を長く保てます。

 

たとえば、無垢の床材は乾拭きが基本。

汚れがひどいときは堅く絞った雑巾で水拭きするか、ペーパーヤスリなどで軽く削ると落ちやすいです。

 

珪藻土や漆喰の壁も、ヤスリなどで軽く削ることで汚れや傷を目立ちにくくできます。

このように、手入れをきちんとすることで再生できるのも、自然素材の家ならではの魅力でしょう。

 

まとめ

傷や汚れがつくのは、工業製品でも自然素材でも同じですが、自然素材の家は時間が経つほど「味わい」が出てくるのも特徴です。

 

同じ建材が二つとないことから、住み始めた当初は色のばらつきなどが気になるかもしれませんが、住み続けると気にならないばかりか愛着が生まれるのも自然素材の家の魅力でしょう。

 

従来の家と自然素材の家、それぞれのメリットとデメリットを把握し、どちらが自分のライフスタイルに合っているかを検討したうえで、快適に暮らせる家を実現させましょう。