ある夏の日のこと・・・
雲がかかって夕立が来るのかな?と感じるような灰色の雲が広がり始めていた午後、
松本平の某所にある古い民家の調査に出向きました。
文化財に指定されてもおかしくないベルのその旧家はいま、
いろんな個所で建物の老朽化が進み、大変な状況になっていました。
(引いた画像はNGの為、ピン画像のみでご容赦ください)
行政の文化財関係者や教育機関の専門家などと一緒に回った調査では、
その場では容易に未来図が描けませんでしたが、
なんとか将来に向けて活用の方法を探りたいということで一致。
失われつつある見慣れた集落の風景。
気づくと私たちの過去がひとつまたひとつと消え去っていく切なさを感じます。
そんななかでも、建築設計の仕事を通じてなにか地域に貢献できることはないかと、
模索する日々を送り続けている、リフォーム設計担当の高松です、こんにちは。
さて、酷暑の続いた今年の夏でしたが、うだるような暑さだった7月後半から
8月のお盆休みまでの2週間ほどの間に、
耐震診断調査を都合4件させて頂きました。
長野市で1件、松本市で1件、安曇野市で2件。
いづれも規模の大きいリフォーム工事を計画されていて、
耐震診断を経ての耐震補強はとても重要な工事内容となってきます。
診断は補強計画の根拠となる大切なものですから、
ほんのわずかな気の緩みで重要な問題点を見逃してしまったりすると、
いざ工事が始まってから発見された時には工程や計画全般に影響が出かねないので、
調査はとても慎重にならざるを得ません。
しかしこの時期の耐震診断、小屋裏に潜入したときの過酷さは、
それはもう半端ないものがありまして。
室内環境は断熱材や天井材によってある程度制御されているわけですが、
その断熱材の外側になる小屋裏では太陽に熱せられた屋根から
ダイレクトに伝わる熱気が大変。万が一にも怪我をしてはいけないので、
服装は長袖な上に状況によって合羽も着こみます。
大げさなたとえですが、気分としてはサウナスーツを着用して
サウナに入って動き回っているかのよう。
小屋裏から点検口を抜けて室内へ戻ってきたときには汗だくになっていますが、
そのまま今度は続けて床下へ突入したりと。
まあリフォーム設計というのはまさに肉体労働そのものですね。
でも、ここで踏ん張ってしっかり調査分析を行うことで、
そのあとの計画がとても充実したものになるわけですし、
頑張らなくてはと気持ちを奮い立たせて励んでいます。
近頃は若い相棒が一緒に小屋裏から床下まで、
診断調査全般を手伝ってくれるので、とても助かっています。
年齢だけで言えばすでにベテランと呼ばれる域に達している僕ですので、
これからはお施主様のための調査だけではなく、
若くて優秀な後輩スタッフに技能を伝えていくという
役割も担っていると実感しているところ。
ますます忙しく、そして重要になってくる耐震診断調査を、
これからも汗だくになりつつ若手スタッフの成長に期待しながら、
お施主様に喜んで頂けるよう続けて行きたいと思います。