朝晩冷え込みが徐々に強くなり、ストーブの温もりが恋しい季節となりましたね。
僕の暮らす安曇野は北アルプスを源流とする河川が作り上げた、
なだらかな扇状地の上に広がっています。
見通しのよい平野では北アルプスから吹き降ろされる冷たい風が流れ、
家の気密がよくないと隙間風が部屋の中に流れ込んできて、
せっかく暖房で暖めてみても身体のどこかにヒヤッとした感じを覚えてしまいます。
これまで多くの御施主様の家で気密断熱工事をさせて頂きましたが、
部屋の暖かさが格段に違うというリフォーム後の声をたくさん頂き、
工事に携わった私たちも嬉しく感じています。
これからも家のリフォームでなにより断熱と気密をしっかり考えて
工事提案をさせて頂かなくてはと、寒空のもとで改めて思いを致す、
リフォーム設計担当の高松です、こんにちは。
さて、話は変わって地形と言えば。
11月初旬、岡谷でまちあるきをしました。
サンプロの社内サークル「まちあるき部」の活動で、
2年前の部発足から数えてかれこれ2年、今回は記念すべき10回目の開催です。
岡谷は近代以降、製糸産業で大いに繁栄した町として有名であるのと同時に、
日本有数の断層が通過するまちであることもつとに知られているところです。
その活断層によって古い時代に生じた崖などの高低差がまちなかには存在するのですが、
それだけでなく市街を流れる河川が作り上げた小規模な河岸段丘も存在し、
そんな随所に見られる土地の高低差がまちに立体感を演出して、
まちあるきの魅力を高める要因に繋がっています。
今回のまちあるき部ツアーでは数年前に活断層調査が実施された場所まで足を運び、
調査当時の写真などを見ながら断層の様子を感じ取ったり、
市役所付近から岡谷駅方面へと続くまちなみの中に見られる河岸段丘の痕跡に触れたりと、
断層や段丘が作り上げた高低差ある地形がまちの形成や製糸業など地域産業の発展に
どのような影響を及ぼしてきたか、そんな謎解きをしながら
とことん高低差にこだわったまちあるきを堪能しました。
活断層というと岡谷に限らず全国各地に存在し、
それが地震発生と深い関係を持っていることが指摘されたり、
なんだか怖い印象も受けがちですが、であればこそ建築に携わる者として、
断層に限らず土地の高低差を含む地形や地質の特徴を正しく把握して、
家づくりに取り組まなくてはいけないと痛切に感じています。
リフォーム工事の耐震補強計画では建物単体の構造確認を進めるわけですが、
それに加えて土地の素性というものも十分に考慮する必要があり、
地盤の強さを分析対象としていることもその一例です。
建物単体の分析と同時に、
建物が存在する土地の地形や地質の状況を的確に把握すること。
それは生活の安心安全向上にとって、とても大切なこと。
私たち自身がそのための意識づけをしっかりと出来る活動であることもまた、
社内サークル「まちあるき部」の目的のひとつでもあります。
年数回程度の細々とした活動ではありますが、
県内各地のまちを舞台に観光目線とはひと味違ったまちあるきを、
これからも継続して楽しく取り組んで行きたいと思います。