少しずつ秋めいた空気が感じらえるようになった10月某日。
一冊の本が刊行されました。
『あ、火の見櫓! 火の見櫓観察記』
僕、じつは火の見やぐらが大好きで、車で走っている時にも
火の見やぐらが車窓に見えるとついつい速度を緩めて眺めてしまう。
ときには止まってゆっくり観察をはじめてしまう。
最近更新怠っているけれど、ブログで火の見やぐら紹介したりしてしまう。
そんなマニアックなことを愛好する、リフォーム設計担当の高松です、こんにちは。
冒頭で紹介の本ですが、じつはこれ、
僕の火の見ヤグラ―の師匠が長年火の見やぐらを観察し続けてきた
その研究の集大成のような感じで自費出版された本なのです。
火の見ヤグラ―というのは、文字通り火の見やぐらが大好きな人のこと。
マヨネーズが好きな人はマヨラー、ちょっと古いですが
安室奈美恵を好きな人はアムラーとか、言いますよね。
それと同じ、火の見やぐらが好きな人は、火の見ヤグラ―なのです♪
なんで火の見やぐら? という話なわけですが
火の見やぐらについてブログで書き出すと
おそらくひと月分くらいの文章量になってしまうと思うので、
細かい話はちょっと割愛。
ただ、火の見やぐらってまちづくりとか地域づくりと
本当は深い繋がりを持っている、大切な地域の財産なんだ
ってことは、綴っておきたいなと思います。
火の見やぐらは読んで字のごとく、櫓の上から火災など災害の様子を確認し、
半鐘をたたいて集落の人々に危険の度合いを知らせる役割を持ったものです。
各集落にたいてい一基またはそれ以上設置されていることもある火の見やぐら。
今では防災無線や警報サイレンなどにその役割を取って代わられ、
実質的には無用の長物のようになってしまっているのが現実です。
火の見やぐらって何となくそこに存在するだけで安心感があるというか、
防災だけでなく地域コミュニティーの象徴的な存在感があります。
近年は全国各地で撤去解体がどんどん進んでいる状況ではあるのですが、
一方で今でも撤去せずその存在価値を認めて残しておこうとする地域もあったりと、
ヤグラ―としては悲喜こもごもな状況がずっと続いています。
そんななかで発行されたヤグラー師匠の火の見やぐら本。
中には僕のお気に入りの火の見やぐらも掲載されていたりと、
まさにヤグラー垂涎の中身となっています。
とまあ、熱のこもった書き込みをしても
普段から関心がないと「はぁ?」って感じかなと思います。
ただ火の見やぐらって不思議なもので、いちど気になり始めると
あちこちで目について仕方ない存在になってしまうのです。
今まで見えていなかった風景が見える風景に変化するってことです。
「火の見やぐらは中毒になる」などと少々意味不明な言葉があるのですが、
気になりだすと止まらない火の見やぐらはまさに中毒そのもの。
僕もそんな中毒患者のひとりというわけです。
そうでなくても職業柄、建築的視点の観察もあったりするわけで、
火の見やぐらって法律的には工作物扱いになってくると思うのですが、
東京タワーのような脚部がすらっと広がったタイプなどは
構造力学を素直に反映させた、とても美しいプロポーションを
しているなあと感じたりします。
どうしてそこまで中毒になってしまうのか、
その楽しみ方について、また次回以降の担当ブログ記事のなかで
書き連ねて行ければいいかなと思っています。
この記事を最後まで読んでくださった皆様、ありがとうございます。
皆さんもぜひ一度、ご近所に立っている火の見やぐらを観察してみてください。
今まで見えていなかった風景が見える風景に変化して
新しい景色が広がって感じられると思いますよ♪