ここ数日、左腕を動かすと左肩が痛みまして。
オフィスで図面を作成したりするにはとくに気にならないのですが、
例えば車の乗り降りで荷物を左手で移動させようとすると、ピキッと痛みが(-_-#
今年、歳も大台が切り替わりました。五十肩、他人事と思っていたらとうとう当事者になり、
やれやれと溜息も出てしまう、リフォーム設計担当の高松です、こんにちは。
今回もまた、まちあるきのお話(ばっかりでスミマセン。。。)。
11月某日、地域づくり活動の仲間とある企画を立ち上げ、
その関連行事ということで松本のまちなかにてガイドイベントを行いました。
画像はそのときの様子。
今回案内人をお願いしたのは信州大学で建築を教えていらっしゃるH先生。
お忙しいなか無理を聞いてくださり、ナビゲーター役を引き受けてくださいました。
そういう専門家の案内がセットされると、まちあるきもまた違った魅力が
どんどんと引き出されるのが素敵です。
例えば「松本市はかり資料館」。
こちら、中町通り沿いにあって松本市が管理運営する、
「はかり」に関する資料を展示紹介する博物館です。
もともと「竹内度量衡店」という、はかり器具を扱う商店だったのですが、
昭和末期に店じまいされたことで松本市が整備を引き受け、
現在は資料館として市民や観光客に公開されています。
はかりについての資料館なので、展示物は度量衡のはかり器具ばかり。
でもそこは建築の専門家が案内するガイドイベント。
はかりについてはそっちのけ(?)で、語る側も聴く側も
建物について目があっち行きこっち行き。
通りに面した主屋が一軒のように思えて
じつはふたつの建物がくっつけ合わせられているというお話。
梁や構造補強の様子などをしっかり見れば、たしかになるほどの様子なのですが、
一般のお客様には説明がないとぜんぜん気づかないだろうと思います。
そしてこの資料館のもうひとつの見どころは裏庭に建つこちらの建物。
市内の別の場所にあった建物を移築保存しているのですが、
木造二階建ての下見板張り仕上げの建物は、
じつは土蔵造りの建物で内部は倉ではなくお座敷など生活に使用できる
いわゆる「蔵座敷」と呼ばれる造りとなっています。
しかも和空間の1階(スミマセン、画像無いです)とは対照的に
2階へ上がると一気に洋の空間が目の前に広がります。
正確に言えば明治期の和洋折衷のデザイン。
内外の様子をひっくるめ、こうした建物を擬洋風建築といいます。
松本市で擬洋風といえば旧開智学校があまりにも有名ですが、
この資料館の蔵座敷の建物を手掛けたのは開智学校と同じ立石清重という棟梁。
信州の近代建築を紐解くと絶対に欠くことのできない偉大な先人ですが、
人物について語り出すときりがないので、それはまた後日。
ともかく、はかりについてだけでなく、
建築屋の観察力が試されるような建物探訪ツアーも
じゅうぶん通用する楽しみ方の出来るのが、中町通りのはかり資料館です。
特に今回はスペシャルイベントということで、通常は非公開となっている
主屋2階に上がらせて頂き、ほかでは見かけないような特殊な梁構造を見学したり、
普段は物置に使われてしまっているものの、
じつは蔵座敷であったという別棟の土蔵にも立ち入らせてもらったりと、
お得感満点の松本建築探訪ツアーが実現できました。
今後もまちのいろんなところでまちを探訪しながら
建築屋として勉強にもなる楽しい企画を続けたいと思っています。
はかり資料館は建築家の観察力も推し量る!?
*スタッフ日常2018/12/21